仙丈ヶ岳スキーツアー

日時:2003年4月28日(月曜日)
地図:2.5万分の1/仙丈ヶ岳
同行:浅野,長田,半田
報告日:2003/05/05

仙丈ヶ岳の周りのカールは期待通りの素晴らしい大斜面であり, とても1日で滑りきれるものではない. できれば,仙丈小屋に連泊してカール滑りのはしごをやりたいものである.

仙丈ヶ岳山頂から大仙丈沢を滑降
ルート図 国土地理院WEB地図

コースタイム:行動時間=10時間20分/高度差1000m

北沢峠/長衛荘(cont.2040m)648—855大滝頭—1022小仙丈ヶ岳(2855m) —1148仙丈ヶ岳(3032.7m)—(大仙丈沢往復)—仙丈ヶ岳1330—1350仙丈小屋 —1440小仙丈ヶ岳北部直下—1525大滝頭—1710北沢峠/長衛荘

<行動記録>

4/26夕方厚木を出発.戸台/仙流荘の駐車場には22時すぎに到着となる.
4/27は2番のバス8:25で出発.お客は我々を含めて6人ほど. 四万十帯との断層の切り替わりがあること, 南アルプスが今も標高が高くなっていることなどをガイドしてくれる. 運転手さんの好意で歌宿(6/15まではここが終点)を越えて, トラック型除雪車に乗り換え結局大平小屋まで乗せて行ってくれる. 2-3時間の林道歩きが省略され,朝1番のバスで出発した人たちに追いついた形になった. 時間に余裕ができたので5合目(大滝の頭)あたりまで下見にでかける.

4/28は6時48分出発. 尾根道は後ろに甲斐駒,左手前方に北岳が望まれ快適な登行である. 大滝の頭にいたる2300-2400m付近にはリッジ状の通過箇所もあり慎重になる. 大滝の頭上部からは小仙丈ヶ岳がまじかに見え, ようやくスキーで滑ることができそうな斜面(photo1)が見えてくる. 小仙丈ヶ岳に上がると行く手に仙丈ヶ岳がそびえ小仙丈沢カールが扇のように広がる. カールに滑り降りたスキーヤーが登り返しているのが見える.

甲斐駒をバックに小仙丈ヶ岳を登る(photo1)

仙丈ヶ岳まではアップダウンがあるが1ピッチ強で山頂に立つことでできる. 北岳など南アルプスの連なりが望める.後ろには甲斐駒/鋸岳,鳳凰三山 などの連なりが広がり360度の大パノラマである. 大仙丈沢を空荷で滑り降りてみる(photo2). 高度差で100m弱滑り降りただろうか. 素晴らしい斜面でそのまま野呂川まで滑り込みたくなってしまうところだ. 仙丈小屋泊りの人たちは大仙丈沢,小仙丈沢を滑って/登リ返すというのを繰り返しているという.

仙丈ヶ岳山頂より大パノラマ →クリックで拡大
仙丈ヶ岳山頂から大仙丈沢を滑降(photo2)

仙丈ヶ岳山頂から今度は仙丈小屋に向かって北側のカールを滑り降りる. ここも滑り出しは恐ろしく急だが雪質がよいので元気に小屋まで滑り降りる (photo3). 仙丈小屋は太陽電池,風力発電装置などのハイテクが装備された2F建ての避難小屋である. 大勢の人が期間中利用しているようだ.小屋の上部のカールにはまるでゲレンデ のような思い思いのシュプールがつけられていた(photo4).

仙丈ヶ岳直下の滑り出し(photo3)
仙丈小屋上部カールのシュプール(photo4)

そのままヤブ沢を下りたいが,ヤブ沢は雪崩の危険があり入山禁止となっている. トラバースして小仙丈ヶ岳に登り返す. ここから大滝の頭までは前方に甲斐駒を見ながらの滑降となる (photo5). 大滝の頭からはスキーを担いで下山.北沢峠までは1時間半ほどの行程となる.

小仙丈ヶ岳直下を滑降(photo5)

翌日4/29は下山.7時15分ごろ小屋を出発. 道路の片側に残された雪のテーブル部分を滑り降りることもできるが, 途中何回も道路を横切る必要がある.歌宿には9時に到着. ゆっくりと暖かい日差しの中10時のバスを待つ.

ルート図 →クリックで拡大

<感想>

甲斐駒・仙丈は昔,ワンゲル同期メンバと春に来たことがある. 戸台から1日かかり北沢峠にテントを張りました. 今年は雪が多くスキーを持った人がたくさん入ったという. 我々も2001年/12月号の岳人のグラビア記事 (山スキー2002/南アルプス・仙丈ヶ岳 pp.22-25(丸山剛+服部文祥 取材)) にひかれ,3000mからの滑降(ヤブ沢~大平小屋)を期待したが, コースのヤブ沢は入山禁止となっており,尾根伝いのコースに変更となった.
仙丈ヶ岳の周りのカールは期待通りの素晴らしい大斜面であり, とても1日で滑りきれるものではない. できれば,仙丈小屋に連泊してカール滑りのはしごをやりたいものである. 25年ぶりに山スキーを新調(ATOMIC TC9 163cm, Diamir Titanal3)した. ちょっと大胆に滑り出しできそうである. ちなみに長衛荘の奥さんはなかなか親切で話好き.(記録=2003.05.05/半田祐一)

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