北八ヶ岳縦走 1980

実施日 1980/02/09-11
参加者 半田 他1名
報告日 1980/03/14(二ぺの声/S54-No.18)

行程

2/09 縞枯山荘11:40ー横岳13:10ー三ッ岳15:00ー縞枯山荘16:15
2/10 縞枯山荘09:10ー縞枯山09:20ー茶臼山09:55/10:30ー麦草ヒュッテ11:10ー(昼食)-丸山12:55ー高見石小屋13:15
2/11 高見石小屋08:00ー中山09:20ー黒百合ヒュッテ09:45ー渋の湯11:05

青い三角屋根の縞枯山荘
写真2
高見石から白駒池を望む
北八ヶ岳縦走

ロープウェイの駅を出るともう一面銀世界.歩かずして標高2240m.10分ほど歩くと今日の宿泊地,青い三角屋根の縞枯山荘到着.山荘の前は縞枯山.一面の樹氷が美しい.昼食を済ませ散策に出発する.坪庭を経て横岳・三ッ岳を巡る.風も弱く曇天,おだやかな天気である.三ッ岳頂上付近はトレースもなく巨岩がごろごろしている.足を踏み抜くと危険な箇所である.三ッ岳から雨池山を経て山荘に帰る予定にしていたがあきらめて来た道を引き返す.山荘着4時すぎ.

縞枯山荘は小屋番に言わせると『通過の小屋』なのだそうである.なにしろロープウェイ駅から10分ほどの歩程.行きも帰りも立ち寄るだけの価値が少ない.行動派の山客には不向きなのである.泊客は男が15人ばかり,女の子が10人程,中には小屋番と懇意な女の子も数人いて良き常連となっているようである.この山荘は他の山小屋に較べて寒い.暖房は1階にあるこたつとダルマストーブ,ここが談話室になっている.宿泊料金は2000円なり.夜ともなると小屋番から日本酒がふるまわれ,こたつやストーブに泊客が集まる.蔵から出した一升瓶は凍っており,ストーブのそばで温める.小屋番の話を聞きながら小半時間もするとポンと快音,栓が飛ぶ.ハイ出来上がり.トクトクトク...小屋番主人は『和助』さん,カズスケと読むのだそうだが,皆んなワスケと読んでいる.この山荘で結婚式を挙げたそうだ.そういえば山渓でそんな記事を目にした事がある.マユゲの薄い人である.神戸ッ子だそうである.本人はベッコ,ベッコと自称していたが皆んなに「何それ,ベッコアメ?」と言ってちゃかされていた.もし酒を持っていくなら『酔心』を持って行ってあげてください.寝たのが10時すぎとなった.

明くる日目覚めると縞枯山上部に皓々たる月.樹氷の白,空の青,丸い月,おとぎの世界から飛び出た様な情景である.僕自身の感性もまだ少し残っている様である.広角レンズを持っていればなあと思うことしきり.この景色を紹介できないのは本当に残念です.8時山荘発.雨池峠を経て縞枯の登り.比較的急な登りだが1ピッチ半で視界が開ける.北・中央・南アルプス,浅間山と良く眺める.北八ヶ岳はさすがに山スキーのメッカ,2-3割は山スキーで行動している.縞枯から麦草峠まではなだらかな稜線で縞枯山スキーが有効のようである.稜線コースの他に山麓を廻るコースもあるそうです.冬には珍しいおだやかな天気で足も軽い.麦草ヒュッテ,丸山を越えて1時すぎに高見石小屋到着.さっそく高見石に上がって雪におおわれた白駒池を望む.高見石はオープンWで来たきりだから6年ぶり.

高見石小屋はさすがに人が多く2階の部屋は満員.布団・毛布も2人で一式という状況だ.小屋が小さいだけに大きなダルマストーブ一つでずいぶんと暖かい.今晩もまた酒宴.小屋番を囲んで小さな車座ができていたので入れてもらう.「ロッジ」でもらったサービス券でなみなみとつがれたます酒を飲む.どぶろくも飲ませてもらった.それに自前のオールドも加えてすっかりいい気分.いささか頭が重い.夕方星空をながめた.カシオペアのWをさがすが星くずのおかげでどれがWかよくわからない.星座は点と点を結ぶものではないようだ.寝るころには雲が出る.

今回の山行も今日で終わり.呆っ気ない感じ.連夜の酒が心地よく残っている.ぼーっとした気分も中山を越えるころにはすっきりする.中山の登りはほとんどが樹林帯.cont. 2496北西部でコースが大きく東に曲がるがこのあたりは部分的に木がないため視界が悪いと道を失う.東よりにルートをとると指導標がありあとは樹林帯の中の道となる.cont. 2496を越えると中山峠,黒百合ヒュッテまでは一息.11時すぎのバスに乗るため下山を急ぐ.1時間ちょっとで湯の香する渋の湯バス停に着く.あわただしい1日でした.

天候にめぐまれビギナーの雪山を楽しむことができました.今度来る時は是非一升瓶と山スキーを持って来ようと思います.

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