蘓武岳スキーツアー 1980

実施日 1980/02/24
参加者 8人
報告者 半田

報告日 1980/03/31 (二ぺの声/S54-No.19)

先日初めてスキーツアーなるものを経験しました.山スキーが流行している現今ですが,私も例にもれず昨年末山スキーを購入しました.ビンディングは谷川君推薦のビネッサFHをつけています.板はイタリアンカット(先が円い)のロイ・エキスポローラ― 160cm.トップベンドが柔らかいスキーです.

コースタイム

万場民宿07:20ー名色スキー場上部09:00ーcont.900m 10:10ー蘓武岳(1074.4m)11:20/12:55ーcont.747m 14:55/15:10ー(名色スキー場)-民宿15:55

蘓武岳ルート図
写真3蘓武岳
蘓武岳(1074.4m)
写真2
陽だまりの中での昼食の一時

蘓武岳(そぶがたけ)は地図に示す通り,万場・奥神鍋スキー場を見おろす高峰で標高は1074.4m.下からの登り約700mである.土曜日3時半すぎに大阪を出発,中国縦貫・播但道路を経て万場高原の民宿に到着したので7時すぎとなる.荷物を部屋に置き,腰をおちつけるとカニすきと銚子がお待ちかね!今回の同行は高校の先生が2人,どちらもスキー技術はプロなみ,山スキーの先生です.3人で1升半ぐらい飲んで,足もとはすっかりフラフラ.9時すぎ,さてこれからナイターへ.この元気なことはかりしれず.さんざん酔っぱらい滑降をしたあげく10時半すぎに帰って来る.今回同行予定のYMCA山岳クラブの面々が到着しており,またまた酒をくみ交わすことになる.寝たのが12時半,こんな生活してていいんかしらんと疑う暇もなく寝入る.

5:45起床,民宿出発7:20.朝方ぽつぽつと雨やあられが降っていたが今はどんより曇っている.万場スキー場の端からからシールを着ける.シール歩行はまったく初めて.まず一歩目でづまづきそうになる.登りになるとさあ大変.普通のスキーの調子でエッジをたてようとするものだからますます滑る.スキー板全面を踏みつけてまっすぐに登ればいいことがわかるまで,2度3度とみじめにこけてとまった.初めてスキーをはいた時の心境に似ている.歩き方も最初はスキーを持ち上げる様にしていたが要するにつま先でスキーをひきずれば良いのだということを体得!このころにはすっかり汗ばむ.パーティはYMCAの人が5人,こちらが3人の計8人,30歳以上4人,20歳代4人(女の子2人を含む)である.

コースはほとんど稜線沿いで,シールがほどよくきいて快適に登れる.途中深い樹林の中をぬけたりして2ピッチほど行くと隣の名色スキー場の上部に出る.スキー場上部は傾斜が急で大きくトラバースしながら登り,小さな雪庇を乗り越え稜線に出る.名色スキー場からリフトを利用すれば2ピッチ分は時間をかせげそうだ.cont.797mを越えると小さなコルに出る.南側には山肌をまくように林道が走っている.コルからさらに登り続けると木のはえていない大斜面に出る.帰りの滑降が楽しみなところだ(cont.800-900m).

天気は晴れたり,曇ったりでまあまあの上天気.南向き斜面では大分雪が軟らかくなってくる.行く手には蘓武岳のまっ白い斜面が臨める.まわりの山々がことどとく木におおわれているから一目瞭然である.小さなポコをいくつか通りすごしいよいよ最後の登りとなる.ラッセル用具としてのスキーの威力には関心する.ワカンではとてもこれほど軽快には行かないであろう.蘓武岳山頂にはやぐらがあり大展望をのぞめる.快晴の日には遠く大山(だいせん)までみえるそうである.

日当たりのいいところで火器を出し昼食.やっと腹ペコが満たされ充足感がよみがえる.天気が良くて本当にいい気分である.シールをはずす手もかじかむのだが,一向に気にならない.”シールはずしてパイプの煙”の気分である.とはいうもののそれは上級者の話.スキー技術の未熟なものにとっては登りより下りの方が大苦戦である.滑べり降りるというよりは転げ降りるという表現がぴったりである.ボーゲンもままならぬこの状況,ご察し下さい.転ぶと起き上がるのに一苦労.一転二転してやっと起き上がり,また転ぶ.この繰り返し.山スキーではうまく滑べるより転ばずに安全に滑べることがまず要求される.ゲレンデスキーとは大分異なってくる.新雪斜面でギルランデが自由にこなせたらもう少し楽しかろうにと実感する.

山靴でのスキー滑降にも慣れたころには名色スキー場上部に出る.しばらく休憩した後,ゲレンデに向って滑り降りる.このころにはもう膝がガクガク.自分でニガ笑い.とにもかくにも民宿に帰ってビールで乾盃!温かいぜんざいも食べました.

滑ったというより転げたという感じの初山スキーでしたがすっかりそのとりこになりました.今後ツアーに出掛けられる人,私のついていけるところがありましたら是非誘って下さい.

写真1
ロイ・エキスプローラ―

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